交通事故に遭ってしまったら「接骨院」へ
今回のコラムは交通事故に遭ってしまったら、自分が被害者でも加害者でも、すぐに「接骨院(※1)」へ行って全身をチェックしてもらいましょう。というお話しです。
ほとんどのケースで有益なはずです。
以降の章で、その理由について解りやすく説明していきます。
(※1)接骨院は整骨院と呼ばれる場合もあります。この記事では両者をまとめて「接骨院」と表記しています。
今はたいしたことが無くても「後遺症」に長年苦しむ可能性があるから
交通事故に遭った時に、体に現れる症状でもっとも多いのは「ムチ打ち」だと思います。「ムチ打ち」は、医学的用語で言うと「頸部捻挫」や「外傷性頚部症候群」と呼ばれ、
Wikipediaでは「外傷性頸部症候群」という名前で出ています。
そして、ここには
『外傷性頸部症候群患者の多くは中等度から重度の痛みと機能障害を負うが、その大部分は3ヶ月以内にほぼ回復する[1]。ただし、残存した症状が後遺症として継続することもある[1]。』
Wikipediaより
とあって、後遺症の可能性は十分に注意した方が良いと思います。
そしてさらには
『また、痛みと機能障害が重度のときは予後不良であることが知られる。』
Wikipediaより
とあり、この「予後不良」という言葉をまたWikiで調べてみると「予後不良」に
『主に以下のような場合を表す。
Wikipediaより
1.後遺症が残る
2.治癒(回復)が望めない
3.進行(悪化)が抑えられない
4.再発する
5.重篤な副作用が起きる
6.延命が困難である
7.死亡する』
とあります。ぞっとしちゃいますね。
そうならないように「外部性頸部症候群」の「治療」の項目に目をやると
『急性の場合も慢性の場合も、適切な指導の下での、関節可動域の拡大を目的とした運動、筋活動に着目した運動などの運動療法が採用される』
Wikipediaより
となっているので、この「適切な指導」のできる人と遭う必要があります。
ケガの治癒を生業としている人は数多くいますが、その中でも一番適任なのは「接骨院」の先生だと私は思っています。
その理由は後ほど書きますが、少なくとも「ムチ打ち」を完全に放置しておくのはリスクが高いですし、「整形外科」に行き、レントゲンだけ撮って、日帰り治療というのは「後遺症」のリスクを甘く見すぎでは?と思います。
「自賠責保険」が効いて治療費はゼロの可能性が大きい
交通事故を起因として「接骨院」に通う場合「自賠責保険」が効いて、ほとんどのケースで「治療費」の負担はゼロ円になると思います。
「自賠責保険」について、詳しくない人も多いと思うので、色々と解りやすく解説していこうと思います。
「自賠責保険」って何?
「自賠責保険」は、「自動車損害賠償責任保険」の略で、国土交通省の「自賠責保険(共済)ポータルサイト」で詳しく解説されています。
まず「自賠責保険(共済)とは」に
『原動機付自転車を含むすべての自動車は、自動車損害賠償保障法に基づき、自賠責保険(共済)に入っていなければ運転することはできません。
国土交通省のHPより
無保険運転は違法です。』
とあるので、すべての運転者が加入しています。
車をお持ちの方で「あれ? そんなもの加入したっけ?」と思っている人もいると思いますが、ダッシュボードを開いてみてください。こういう紙が必ず入っているはずです。
これが「自賠責保険」の保険証です。
「自賠責保険」は、「自賠責保険(共済)とは」に説明があるとおり『交通事故による被害者を救済するため、加害者が負うべき経済的な負担を補てんするもの』なので、事故に遭われたあなたが、歩行者か運転者であれば、事故で接触した相手の「自賠責保険」を使いますし、同乗者であれば、運転者の「自賠責保険」を使う事になります。
原動機付自転車を含むすべての自動車で加入の義務がありますから、事後で接触した相手も必ず「自賠責保険」に加入しているであろう。ということです。
総額120万円まで支払われる
傷害による損害は、治療関係費、文書料、休業損害および慰謝料が支払われます。
国土交通省のHPより
(被該者一名につき)120万円
とあります。
また「治療費」の欄に
『治療に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。』
国土交通省のHPより
とありますので「接骨院」での治療が必要かつ妥当であれば「傷害による損害(治療関係費、文書料、休業損害および慰謝料)」の総額が120万円に達するまでは、治療費の全額が支払われるということになります。
事故後「接骨院」に2~3ヵ月通ったとしてもほとんどケースで、この範囲に収まり、あなたの負担はゼロ円になる可能性が高いです。
ぶつけちゃった側でも支払われる
自賠責保険は「被害者」が「加害者」の保険を使うものということは、自分はぶつけちゃった側(加害者)なので、使えないのでは?と思われる方もいると思いますが、ぶつけちゃった側であっても使えるケースは多くあります。ぶつけちゃった側が自賠責保険を使えるかどうかは、その事故での過失割合によって決まってきます。
国土交通省の資料では、以下のように説明されています。
ですので、過失割合が「7:3」(あなたが7割悪い)までは、全額支払われますし、過失割合が7割を超えていても「10:0」(100%あなたが悪い)という状況でなければ2割減額されて(最大が120万円なので、96万円まで)支払われる。ということです。
ほとんどのケースで支払われると思いますので、自分はぶつけちゃった側だから。。。とあきらめずに「接骨院」に行って「自賠責保険」が使えるかどうか、聞いてみましょう。
「接骨院」に通うのに休んだら給料が。。。
「接骨院」に通うのに平日に休んでしまうと「給料」が減額されちゃうじゃん。と、思っていらっしゃる方に役にたつ情報です。
「自賠責保険」には「休業損害」と「慰謝料」という項目があります。
国土交通省の資料では、以下のようになっています。
まず「休業損害」が1日につき、6,100円支払われます。しかも「有給休暇を使用した場合に」とあるので、有給休暇を使った場合でも支払われます。
そして「慰謝料」。この項目は治療期間に応じて1日に4,300円支払われます。
例えば治療に3ヵ月かかったら90日(※)×4,300円で、30万6000円支払われる事になります。
(※)支払われる日数は「障害の態様、実治療日数その他を勘案して決定される」ので、この数字は正確とは言えません。説明のための仮の日数です。
これらの「休業損害」と「慰謝料」を使えば「接骨院」に通うことによる給料の減額分は十分に賄えるのではないでしょうか。
骨は傷ついていないのだけど「接骨院」で良いの?
「接骨院」は「ほねつぎ」とも呼ばれることなどから、骨に問題がある場合にいくところ。というイメージがある人もいると思いますが、実体は違います。
「厚生労働省の資料」に、柔道整復(※)療養費の傷病名別の患者割合という分析結果があって、それがこちらです。
※「柔道整復」は「接骨院」の保険における法的な名前です。
このデータによると、骨に関係がある「骨折」「不全骨折」「脱臼」の患者は全体の0.17%に過ぎず、残りの「打撲(挫傷を含む)」「捻挫」は、合わせて 99.84%になります。
この事から、「接骨院」はむしろ骨に直接関係ない「打撲」「挫傷」「捻挫」といった外傷全般の専門家ということが解るかと思います。
(補足)
逆に「骨折」「不全骨折」「脱臼」を伴う場合には「整形外科」にも行く必要があります。そのあたりは「接骨院」に行けば、教えてもらえると思います。
通院先の選択肢
外傷の治癒を生業とする業種は以下のものが考えられると思います。
- 整形外科
- 接骨院
- 整体院
- カイロプラティック
他にもあるとは思いますが、この中から交通事故の時に通う先として、適切なものを考察していきます。
保険の専門家を選ぶ
上記にあげた選択肢のうち「3.整体院」「4.カイロプラティック」は、国の認めたライセンスというものはなく、技術があれば誰でも開業することができるものです。
一方で「1.整形外科」「2.接骨院」は、国家資格を取らなければ、名乗ることができず、その国家資格の中に保険の取扱いがあります。
特に「2.接骨院」と「3.整体院」は、名前が似ているので混同されがちですが、保険を使えるのが「接骨院」保険を使えない(使わない)のが「整体院」と覚えてください。
今回は交通事故治療で「自賠責保険」もしくはその他の保険を使っていくので、保険のプロではない「3.整体院」「カイロプラティック」は避けた方が無難だと思います。
整形外科より接骨院を選んだ方が良い
「整形外科」は「レントゲン」「MRI」「治療薬の処方」といった医療行為のできる特別な権限の与えられた存在です。一方で「整骨院」にはそういった権限はありません。
「RPG」で例えると、こんな感じです。
【RPGにおける整形外科】
【RPGにおける接骨院】
国に許可された大技(例えば「レントゲン」「MRI」「治療薬の処方」)の使える特別な存在である「整形外科」では、全身を触ってくまなくチェックをしたり、マッサージをしたり、運動方法の指導をしたりといった国の許可の要らない治療行為にあまり時間を割かない傾向にあると思います。
これは「整形外科」を否定しているわけではなく、むしろ特別な存在であることを活かし、本当に大技が必要な患者に適切な大技を繰り出して、一人でも多くの患者を救ってほしいと思っています。
「RPG」で言えば「ホイミ」なんて唱えている時間はないので、勇者と一緒に魔王を倒す事に注力してほしいということです。
ただし今回のテーマは「交通事故」で、後遺症の予防をメインテーマとしています。「今はたいしたことが無くても「後遺症」が長年残る可能性があるから」の章でも述べたとおり「ムチ打ち」の根本的な治療には、「適切な指導の下での関節可動域の拡大を目的とした運動、筋活動に着目した運動などの運動療法」が用いられます。
そういった意味においては、日々の治療行為の中で、全身を触ってくまなくチェックをしたり、マッサージをしたり、運動の指導をしたりといった事により多くの時間を割いている「接骨院」をメインの治療院に据えた方が、効果が期待できる。ということです。
さらに勘違いして頂きたくないのが交通事故治療において「整形外科」が必要ないかと言うと、そんなことはなくて、むしろ必須の存在です。それは骨に異常があったり「整骨院」だけでは対応できないケースがありうるからです(骨に異常がある場合、ほとんどのケースで接骨院単体では治療ができません)。
「整形外科」にも通った上で「整骨院」を治療のメインに据えるというのが、今回、ご紹介するベストな治療方法だと考えています。
交通事故専門の「整骨院」があります。
交通事故を専門としている「整骨院」も数多く存在しています。
例えば、以下のような接骨院です。
■ありふく接骨院
HP | http://arihari.jp/designated/ |
場所 | 神奈川県川崎市川崎区貝塚2-16-1 |
■丸の内接骨院
HP | https://www.marunouchi-sw.com/p4639/c1106/ |
場所 | 東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビルB1F |
■プラス鍼灸接骨院の交通事故治療 専門メニュー
HP | https://plusseikotsuin.com/lp/koutsujikochiryo_a/ |
場所 | 大阪、東京など各所 |
その他にもいっぱいあります。
こういった交通事故専門の「接骨院」では、日ごろから他の院より多く「交通事故」を取り扱っていますから、より適切な対応をして頂ける可能性はあると思いますし、また交通事故時の対応手順を説明するための資料なども揃っている場合が多く、交通事故時に何をすれば良いか解らない私たちにも解りやすく教えてくれると思います。
長く通う可能性があるので、ご自宅や職場からの距離(通いやすさ)などを考慮に入れた上で、候補の一つに加えても良いのではないでしょうか。
最後に
今回は「交通事故に遭ったら「接骨院」に行ってください!」というテーマで記事を執筆いたしました。私のような治療に対して責任を追う立場でないものがこんな事を言うのは、とてもおこがましいですが「交通事故」に遭われた人の中で後遺症に苦しむ人が一人でも少なくなってほしい。という気持ちで記事を書きました。
このサイトでは優良な「接骨院」を数多く掲載しています。
交通事故に遭われた誰かが、このサイトで優良な「接骨院」に出会って、将来的な後遺症を回避できたのだとしたら、それほど嬉しいことはありません。
ぜひこのサイトの他のページも訪問して、優良な「接骨院」を探してみてください。